【DEADSTOCK】 神門 / 栞 (2CD)
HIPHOP好き、邦楽好き、そして全ての日本語好きに聞いて欲しい一枚!!100分を越える超大作。
最新アルバム発売!分かりやすいが、浅くない。隠さずありのままを歌うから共感を生むリリック。あらゆる人の心をとらえて止まない神門の最新アルバムは、なんと100分を越える超大作。HIPHOP好き、邦楽好き、そして全ての日本語好きに聞いて欲しい一枚!!同じ作者から作られた「三日月」と「こころ」。しかしどこか色の違う二枚。その二枚、それぞれの色が共存する今作『栞』。未録音音源集というくくりで集められた楽曲ではあるが、お蔵入り作品を集めたB級アルバムではなく、どの曲もライブでよく歌われ、音源化を望まれていた楽曲ばかりである。さらに、全曲レコーディングは、今作のために新たに行われており、過去作品の音源化というより、紛れもなく、今の神門の最新作である。ありがちなテーマですら、神門のフィルターを通せばありがちなリリックにはならない。当たり前のことをを当たり前に伝える表現力は今作でも健在。ライブでよく歌われている楽曲を中心に、トピック、切り口も様々、バラエティ豊かな曲達が並ぶdisc1「詞集」(+「四収」)。全編『物語』で構成されるdisc2「死終」。一話一話のテーマが濃く、未だかつて誰も目につけなかった題材の物語ばかり。それらの物語のまとめとして、今作、唯一新しく書き下ろされた「いのち」は必聴。一枚、一枚がアルバムとして成立していて、別々にリリースすることも可能な中、色の異なる二枚だからこそあえて一つの作品にまとめた、合わせて100分を越える超大作。CDを聴くために時間と力を費やさなければ、作品の真髄には触れられない。『聴く』というよりも『体験する』『挑戦する』一枚。
■PROFILE
1986年生まれ。神戸在住。2005年の6月より本格的に活動を始める。当初から、自分をさらけ出したライブパフォーマンスや、他のMCと異なる着眼点からのリリックは評判を呼び、大阪のItoIで開かれたMMT主催のライブバトルでは三回連続優勝という偉業を成し、地元でもその名前が知れ渡っていった。しかし、四度目で敗退。悔しさを刻むこととなる。活動開始から約一年が経った2006年の7月に「四拾」というミニアルバムを自主制作でリリース。この時、自身のレーベル、半袖バイブスレコードが生まれる。プレスした500枚をほぼ手売りで完売させた。前作から間髪入れずに、同年の12月に「黄昏」というコンセプトシングルをまたも自主制作でリリース。こちらも完売。また、自身の活動と平行して、様々なコンピレーションアルバムにも参加。ダメレコの「月刊ラップvol.3」に「ノルマ地獄2」という楽曲で参加し、若いパフォーマーの苦悩を歌った素晴らしいライムで全国区の知名度を獲得する。自身の世界観を広げようと、詩人、フリースタイラーなどが参加する言葉を使った格闘技KSWSに出場する。出場した二回とも本選まで駒を進めるが(二回目は予選大会優勝)、本選はどちらも一回戦敗退。悔しさを刻む。しかし、この大会をきっかけに、後に全国的に有名な詩人、谷川俊太郎と共演することとなる。地元の先輩である神戸薔薇尻と同じトラックでそれぞれ別にリリックを書いた二曲を収録した「HERE IS HAPPINESS」を若手MCとしては珍しい、アナログという形で自主プレス。なんとトラックはI-DeAが手掛け、アナログ収録の二曲とも「DJ ISSO presents I-DeA's collection」に収録される。そして活動開始から二年、2007年の9月にDa.Me.Recordsから待望のフルアルバム「三日月」をリリース。全曲ラブソングという異例の構成で、何も隠さない赤裸々なリリックが話題を呼んだ。今もなお、ロングセールスを続けており、その売上げは6000枚以上を記録。その話題も去ることながら、2008年末、神戸のトラックメイカー、DJ NAPEYが全トラックを手掛けるセカンドアルバム「こころ」をリリース。「三日月」とはまた異なる切り口、スタイルで、作品の幅を広げる。そして、活動開始から四年目を迎える2009年の6月現在、アルバム通算三枚目となる、フルボリューム二枚組の大作を作り上げる。