神門 / 歳月
圧巻のオリジナル。パンチラインで武装された、サビを持たない言葉達。「これで売れる。」日常や葛藤を赤裸々に表現し続けてきたラッパー神門の10枚目。神門という人間の10ページ目の人間模様。最高傑作!!
圧巻のオリジナル。パンチラインで武装された、サビを持たない言葉達。
「これで売れる。」日常や葛藤を赤裸々に表現し続けてきたラッパー神門の10枚目。
神門という人間の10ページ目の人間模様。最高傑作!!
自身10枚目のアルバムであり、ライブ活動再開を経ての最初の1枚。ラップや表現に対する思いが凝縮されている。
盟友、観音クリエイションとの相性は抜群。1st「三日月」をオマージュしたジャケットからも分かるよう、作風に原点回帰(韻への重視、ストーリーテリング要素等)が見られる一方、初タッグとなるトラックメイカー(SHIBAO、ikipedia、Michita)が参加し、新たな局面が見られる。結果としてまたたくさんの名曲が生まれている。
M1「0.00」5年ぶりに立ったステージからの景色。M2「1月8日」我が子の出産に立ち会った一日の描写。M3「半生」三日月から続いていた物語。M4「季節」地元の飲食店をほぼ出禁になったお客さんとの一幕。M5「詩とレンズと箱」あらゆる主張を1つのビートに。(以降割愛。)アルバム前半部分だけでも、アルバム1枚分に匹敵する聴き応え。しかし、1曲1曲の濃さは薄まることなく、ラストまで続いていく。
「一本の映画を観たような」と評されることも多い神門アルバム。本作は、「十本の映画を観たような」を目指したと言う通り、1曲1曲のトピックが秀逸で、掘り下げ方、着眼点がそのクオリティーを底上げする。どれも聴き流せない存在感を放つ。「歳月」という、アルバムタイトルすらも伏線となっている。
いかにキャッチーに短く聴き手を掴むかが重要視される昨今、その流れに逆行し、全10曲、サビすらない。しかし、いやだからこそ、1行1行が格段に重く、聴いていて、全節サビとも錯覚する。アルバムを折り返す手前、M4「季節」を聴き終えたあたりで感じる充足感は、そこに由来する。
前作「エール」で熟練された、“日常描写”、“誰しもが抱くが言葉にしにくい感情の表現”は、今作でも好調。いや、ライブ活動を再開したことで、現場で揉まれた激動も加わり、より感情的に洗練されている。
人間に刺さる一枚。
■PROFILE
神門(ゴウド)
1986年生まれ。神戸在住。
2005年より活動を開始。
2007年に1stアルバム「三日月」をリリース。
赤裸々で等身大のリリックが話題を呼んだ。
その後も、「こころ」「栞」「神門」と順調にアルバムをリリース。
2013年、5thアルバム「上弦下弦」をリリース後、制作専念のためにライブ活動を休止。
制作専念中も、「苦悩と日々とど幸せ」「色彩」「親族」とアルバム3枚をリリース。
2018年、9thアルバム「エール」をリリース後、ライブ活動再開。
2020年、ライブ活動再開後初となる、10thアルバム「歳月」をリリース。