JAB / Session File
優れたMCにとって不可欠な、特別なライセンスを手にした男の一人、JAB。約一年ぶりの3rd Albumは彼のPROPSが伝わるようなメンツがFEATで参加 ! ! !
キャッチーなコピーも、センセーショナルなトピックなども存在しない。際立ったバック・グラウンドを持たずともマイクを握り続ける意味と説得力、そして確かなスキルの裏付け、つまりは優れたMCにとって不可欠な、特別なライセンスを手にした男の一人、JAB。約一年ぶりの3rd Albumは彼のPROPSが伝わるようなメンツがFEATで参加 ! ! !
M1イントロ的なこの曲で幕を開けるNEW ALBUM。M2は昔からの盟友とも言える、最近ではMARUHI PROJECTとMARUHI CODEをリリースしたばかりのHI-KING a.k.a. TAKASEとABNORMAL BULUM@からアンジキジョイが参加し、各々の今が分かる曲になっている。M3では神戸のENDY from H.R.Cと共に音楽と生き続ける決意表明ともいえるStayを唄っている。FUNKYなビートの上でのJABらしいフローでソロをキックしたM4の後のM5では最近勢いのあるBOIL RHYMEと共にタイトル通り現状の不満に対してRAPで対抗すると、M6では韻踏合組合のDJ KANがBEATを提供し、地元高槻で培ったJABの自信をニヒルにスピットしている。atius (Lion's ROCK)が参加のM7では彼をご存知な方ほど意外に思うであろうSOUTHな雰囲気を醸し出すトラックに乗り、ど真ん中にいない彼ら(高槻)らしいBEAT選び、そしてリリックまでもが正にあまのじゃく。
一転M8は京都のBONG BROSのMOTOACCEと共に、ストイックに活動し続ける事の難しさや厳しさを経験からフロウ。これまた最近関西で活動の勢いを増しているMADSから誤を招き時流に流されず生きる為に考える事の大切さを語っているM9。以前SMILE BLOSSOMのアルバムに収録された"Straight Out The Jungle"のPart.2となるM10には、昨年のUMBに出場したチプルソ、そして今話題のMOMENTも参加し同名パーティーで出会った面子によるPARTY ANTHEM。M2に参加していたTAKASEと同じクルーのMBによる彼のこだわりが見えるサンプリングトラックのM11の上で街から街、BEATからBEATと身の丈でそれ以上でもそれ以下でもない日々日常を表現。世代は違うが同じ高槻のTORNADOのPIGOUTと共にM12でグルメなMCとしてMAIN DISHを探し求め便利な時代ないまのこだわりをRAP。M13は今の彼の立ち位置からのもがき、歯痒さ、ジレンマの中でかすかな光を淡々と探す彼が感じ取れる。昨年リリースされ話題を呼んだ小林勝行のALBUMにも参加していたZiNgとの共作のM14。昨年末リリースされた彼自身のクルー高槻POSSE『ヨセアツメ』も記憶に新しい彼らがリーダーの元に再集結し、どんどん変化するBEATの上で矢継ぎ早にラップしていく彼らのマイクリレーは必聴!
PROFILE :JAB
特殊なhighな土地、大阪/高槻市で育ち現在も生活し活動の拠点としている。時に痛々しいほど辛辣に、時に驚くほど深い愛に満ちた人間味とリアリティ溢れるありのままのスタンスで地元高槻を熱くする。第四土曜の主催イベントTSUKI(@高槻RUSH, DELTA, DUKE BAR) を中心に各地で土臭く熱いLIVEを展開。関西だけに留まらない現場でのLIVEは勿論、音源制作も積極的に行い無料配布DEMO CD[直視]、[どぶねずみZM]を各500枚バラ撒き、惜しまれつつも廃刊となったHIPHOP専門誌blastのDEMOコーナーにも掲載される。Da.Me.Records発信のコンピレーションCD[月刊ラップ]シリーズにどぶねずみ名義での単独楽曲やマイクリレーでの参加を経て、2007年に迷友DJ YONE with JAB名義で自身の楽曲を盛り込んだMIX CD[Sunday Carpenters]をTSUKI Recordings.からリリース。
2008年6月に、これまでとこれからの活動を結び付ける制作環境を核に、TSUKI Recordings.プロデュースによる自主制作音源[Scenery from here EP]をストリート流通でリリース。 その後、親交深い東のリリシスト: EI-ONEと自らのクルー: 高槻POSSEによる共同名義でのアナログ・リリースや、大阪シーンに根を張るSTUDIO COSMIC NOTESによるコンピレーションアルバムへの楽曲提供などヘッズの信用に値する幾多のアクションを経て、満を持してファースト・フル・アルバム[Standard Process](2010年2月発売予定)を完成させる。アルコールにまみれた独特の磁場が形成された街、高槻の街角を鮮やかに切り取った作品やLIVEは、特殊なバック・グラウンド、物語性などなくとも、揺るぎない信念と音楽への真摯な姿勢、そして豊かな才能を持った同志たちとの切磋琢磨のみによって、彼らだけのドラマ、言い換えれば極上の泥臭いHIPHOPが生まれ得ることを証明してくれるはずだ。