剣 桃太郎 / 斬-ZAN-
妄走族筆頭、下馬の暴れ馬、ウィンズマン、恋心銀次、こと剣 桃太郎。昭和53年生。30歳、東京在住、趣味競馬。全部マジ、全部ギャグ。みずから退路を断ってのバーリトゥード!!
妄走族筆頭、下馬の暴れ馬、ウィンズマン、恋心銀次、こと剣 桃太郎。昭和53年生。30歳、東京在住、趣味競馬。全部マジ、全部ギャグ。みずから退路を断ってのバーリトゥード!!
「命懸け」という言葉が大袈裟に聞こえない、疾走感が特徴のラッパーである。疾走感が特徴という以上、常の加速は必至。
前作「Xカリバー」以来一年経たずに我々の元に2ndが届くことになりそうなのが、その「疾走感」の証明と言っていいだろう。最近特に聞くたびに声にドスが効いているのを感じるのだが、この男の場合、この言葉はただの比喩ではなく、実際言葉の裏側に「ドス」が鈍い光を放っているのを感じるのである。
そしてセカンドアルバムのタイトルは「斬」。納得である。間合いに入ったら最後、この男の研がれた白刃の言葉が変幻自在に降りしきる。
「真似事はどこまでいっても真似事/オリジナルを越えることはねぇ」
「やらなきゃやられる/それが理屈ならヤバイ話にも食らいつく」
「俺は俺の死を死にたい/死刑台13段目からのフリースタイル」
「罪を背負うか罰を受けるか/そん時が来たら俺には撃てるか?」
「狼の遠吠え/犬が走る/豚は死ね/虫唾が走る」
KNOCKをプロデューサーに迎えた「最後の晩餐」、 SEEDA をフューチャリングに迎えた「三日坊主」、MSCの漢 との曲「DOG TOWN」など、ありそうで無かったと言うより、むしろ無さそうで無かった顔ぶれで、バビロンをエグリまくるリリック。妄走族から彼のラップを聴き続けている者としては、前作「Xカリバー」を遥かに進化させた剣 桃太朗本来のスキルを超えたリリシスト振りを存分に発揮しているのがはっきりわかる出来となった(もちろんスキルがないという意味ではない。ワザに溺れることなく “バビロン・モンスター”としての定めをまっとうしているという意味だ)。
あるインタビューは警察に出頭する前日であり、あるインタビューでの待ち合わせは渋谷のJRAだった。剣 桃太郎は昭和の愚連隊の精神を等身大で体現し、気持ち悪い“アチラ側”とは縁のない、真のアウトローの言霊を現出さる。
「メシも女もばりばり食う/タネも茎も砕いて吸う」 「でも魂だけは譲れねぇ/この狂った世界じゃ狂えねぇ」というリリック通り、煙の向こうで吐き出される剣桃太郎 一流の冗談は何よりも冷静に、この時代をぶった斬る。このアルバムには、ニューヨークの無也プロデュースによる「リアル純度120%」という楽曲が収録されている。「何がリアルなのかわからないからこの曲を書いた」というのは桃太郎 本人の言葉だが、「斬」というタイトルが「リアル純度120%」であることに恐らく間違いはない。
器用と不器用の狭間で、この東京を生き抜いてきた男のリアルが、このアルバムには確かにある。
HIGH & OUT / 山田 文大 言葉の剣で斬る斬る斬る!妄走族から最後のソロ博徒が満を持してその折れない刀を抜く(Wu Tangで云えば誰…等のこじつけはやめておこう)。一世一代のアウトローとして、常に一本のマイクで一刀両断….つまりは己の生き様を通して語り続けてきた彼の”真骨頂”と呼ぶべきドクトクの世界観がここにある。劇画調のクロいビートの上でありったけの毒を吐きまくり、”昭和の男樹”復興を叫ぶその姿はまさに…。桃太郎伝説に終わりはない。
ライター / 二木 崇 (D-ST. ENT.)






