YOS-MAG / 2019
より一層リアリズムに重きを置いた自身の2019年の叙情詩集である。過去、現在、未来、先輩、後輩、生死、平成、令和、国家をテーマにして、サンニンメの誕生によって考える事の多くなった次世代へとメッセージを紡いでいる。
2019年 / 1月に3rdALBUM をリリースしたYOS-MAGから早くも次作の報せが届いた。
「2019」と題された今作はより一層リアリズムに重きを置いた自身の2019年の叙情詩集である。
過去、現在、未来、先輩、後輩、生死、平成、令和、国家をテーマにして、
サンニンメの誕生によって考える事の多くなった次世代へとメッセージを紡いでいる。
Sound面では前作から引き続き盟友HozinX. TRIGGABEATZ を筆頭に、
般若ブログで100回以上のビート採用実績を持つ ksmnが新たに参加。
YOS-MAG主宰のネイチャー系アコースティック楽団 : TSUCHIGUMO BAND ( Shinhong Park . Eiji Nagamatsu ) が参加。
アートワークには STRICK を採用。
【レビュー】
友人が亡くなった。
一報を聞いた時に俺は一種の罪悪感に苛まれた。
俺は何も知らなかったし何も出来なかったと。
彼の追悼パーティーの時ライブで歌われた一曲に俺はパワーをもらった。
俺が感じていた一種の罪悪感を同じように抱えたラッパーのリリックにパワーをもらった。
悔しさも寂しさも情けなさもストレートに描かれたかっこつけじゃない素直なリリックに震えたのだ。
スカイウォーカー。YOS-MAGの曲だ。
YOS-MAGのラップはいつも剥き出しだ。
剥き出しの自分を表現するというのは勇気がいる。
特にセルフボースティングが当たり前のラップというアートフォームにおいて自分の弱さをさらけ出すのは想像以上に難しい。
だがYOS-MAGは3rdアルバム"サンニンメ"で完全にその壁を越え次のフェーズに入った。
そして生まれたのがEP"2019"である。
今回のEPはピンポイントで誰かに向けて、というメッセージの強度を感じる作品となっている。
過去に世話になった先輩、亡くなったラッパーそして自分自身。
"誰か"ではなく"アイツ"に向けて放たれたラップは聞く人の中で別の"アイツ"に突き刺さる。
そんなメッセージの強度を感じるのだ。
それはYOS-MAGが持つ真剣さ故だろう。
サウンド面でもバンドとのセッションを音源化。
2020年はバンドでのライブにも期待出来る。
なにせ体温を感じるラッパーである。
体温を感じるバンドサウンドとの相性はバッチリ。
2019年の年始にアルバム"サンニンメ"
2019年の年末にEP"2019"
2020年もYOS-MAGはラップしたい事をしっかりとラップしていくんだと思う。
text by NONKEY