DJ MINOYAMA / PAKAR'ORO SOUL #2
前半は70年代80年代のソウルレコードに稀に入っているレゲエの楽曲を中心にピックアップ。
オトナたるもの馴染みの店の一軒は持っていたい。
特に約束もせずにフラッと寄ると馴染みのメンツがいつもの調子でいる。
自分を0にしてくれたり自分の0を確認するそんな店。
空気を読む必要はない。ただ流れるだけ。「居心地の良さ」とは最高の贅沢。
でもそこには実は常連の客でも気づかないこだわりがあったりしてそのこだわりこそが皆が集まる理由だったりするから面白い。
そんな居心地のいい店の空気感をパッケージングしたようなMIX CDが到着。
DJ MINOYAMAの新作「Pakar'oro Soul #2」がそれだ。
数多くの名盤MIX CDを生み出して来た氏の作品の中でも
独特の質感で好評だった「Pakar'oro Soul #1」の久々の続編だ。
前半は70年代80年代のソウルレコードに稀に入っているレゲエの楽曲を中心にピックアップ。
そこからギターやリズムなど、どこかレゲエの要素が香るトロピカル且つソウルフルな展開はあえてカテゴライズするなら新たなジャンル「Pakar'oro Soul」と呼びたくなるフルーティなサウンド。
ハンモックが揺れるように、グラスを揺らすように。
踊るのでも聴くのでもなく気が付けば椅子の下で靴底がリズムに乗っている感覚だ。
中盤の A TRIBE CALLED QUESTネタやSHAGGY「Angel」ネタなどHIPHOP好きも思わず反応してしまう流れから、後半は新録ソウルも交えながらGIL SCOTT-HERON, JON LUCIEN, WARなどの南国感溢れる楽曲が並び
ラストのメローな締めまで聴くともう一度頭から聴きたくなる。
「あれ?さっきこの曲聴かなかったっけ?」「ちょうど曲名知りたかったからラッキー!」なんつって。
おしゃべりも転がり続ける聴き心地の良い一枚だ。
無論DJ MINOYAMAの作品だからレアな一曲や隠し味などこだわりがあるのだけれどそこに気付いた方はニヤリと笑ってグラスを掲げてくれれば良い。
また今回のジャケットはNYでの活動経験も豊富でDJ MINOYAMAとも親交の深いCHAINによる心温まる絵が印象的だ。
ではまた明日!それか、そのまた明日!
あの席が空いていればラッキー。
一杯目はRed Stripe。冷やしといてください。